5月25日「広辞苑記念日」
5月25日は「広辞苑記念日」です。1955年5月25日に、岩波書店の国語辞典『広辞苑』の初版が刊行されたことにちなんでいます。もともと『広辞苑』の前には『辞苑』がありました。昭和初期の1930年に、岡書院店主の岡茂雄が、岩波書店の創業者に不況下の方策を相談しました。そして国語辞典の刊行を決め、旧知の新村出(しんむら いずる)に依頼したのが発端となります。編集が進むにつれ、零細な岡書院の手に余ると判断した岡は、『辞苑』を博文館へ移譲して仕事を続けます。そして1935年に完成、刊行されてベストセラーとなります。岡ははすぐに改訂版の編集を新村出に進言しますが、あいだに戦争をはさみ、『広辞苑』として世に出るのは1955年と20年後になりました。
広辞苑は有名な辞典なので拾い読みですが読んだことがあります。1992年に出た『逆引き広辞苑』を買ったりもしました。今ならコンピューターで逆引きも簡単にできますが、昔は語呂合わせを作る時に役に立ちました。
辞典が存在すると、知識を広げるだけでなく創作にも役に立ちます。
2008年に出た第六版の『広辞苑』では、製本の際に薄くて丈夫な新しい紙を作るためにチタンを混ぜています。これにより薄くても透けない紙ができました。第六版は、第五版よりページ数が約60ページ増えていますが、厚さでは僅かに薄くなりました。しかし、チタン入りのため重くなっています。2017年に出た第七版では、140ページ増加しましたが、さらに薄い紙の開発により厚さは変わっていません。
最近は辞書というと電子で引くことが多いですが、紙の本も製紙技術や製本技術を駆使したテクノロジーでできているわけです。
印刷された情報だけではなく、そうした周辺の技術も味わいながら辞典を使っていきたいものです。
スピーチ作例
5月25日1
文字数:763文字
想定時間:2分32秒
想定時間は300文字1分の概算です。実際には、挨拶や身振りなども入るでしょうから、この時間よりも長くなるでしょう。