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冷蔵庫は一般的には、0℃以上で水を凍らせない目的で、4~10℃程度で使用されます。0℃以下で凍らせる目的のものを冷凍庫と呼び、両方の機能が一つになった製品を冷凍冷蔵庫と呼ぶ場合もあります。
1950年代後半、日本においては、白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫が「三種の神器」と呼ばれていました。これらのうち最も早く普及したのは白黒テレビで、逆に一番遅かったのは冷蔵庫です。冷蔵庫は、生活に欠かせないものとして生活家電とも呼ばれます。
人工的に氷がつくられるようになると、「冷蔵箱」あるいは「氷式冷蔵庫」などと呼ばれる家庭用冷蔵庫が日本に現れました。
それらは木製で、内側にブリキを張り、外郭との間に木炭やフェルトを詰め込んで断熱材とし、上部に氷を入れる氷室、下部に食品を入れる冷蔵室に分かれていました。上にある氷室の冷気が下の食物を冷やす仕組みでした。
昭和30年代まで一部の家庭で使われており、現在のような家庭用電気冷蔵庫は、1918年(大正7年)、米国で開発・製品化され、日本には三井物産が輸入して初めて入ってきました。
国産家庭用電気冷蔵庫は、1930年に東芝の前身の一つ芝浦製作所が米国GE製品をコピーした物で始まりました。
しかし、冷却能力こそ氷式冷蔵庫やガス冷蔵庫より優れたものの、2者より高価だったことや、音が大きい、構造が複雑なために故障しやすいなどの欠点があったため普及は進まず、家庭用冷蔵庫はしばらく氷・電気・ガスの3方式が併存しました。
20世紀に広く普及した冷蔵庫では、可燃性や安全性などの事情で、冷媒や断熱材の発泡にフロンを利用する製品が主流となっていました。しかし、このフロンが環境中に漏出した際に、オゾン破壊係数が高いなど深刻な環境破壊に繋がるとして問題視され、処分後の適正な取り扱いが求められるようになりました。
この流れの中で、日本では2001年より家電リサイクル法の対象となり、廃棄する際には適切な処理が義務付けられ、粗大ゴミとして処分できなくなりました。