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真珠は、貝から採れる宝石の一種です。6月の誕生石で、石言葉は「健康・富・長寿・清潔・素直」などになります。
真珠は貝の体内で生成される宝石で、生体鉱物(バイオミネラル)と呼ばれます。貝殻成分を分泌する外套膜が、貝の体内に偶然に入りこむことで天然真珠が生成され、成分は貝殻と等しいものです。貝殻を作る軟体動物であれば、真珠を生成する可能性があり、様々な貝の真珠が存在しています。
日本の養殖真珠の発明は「球体に削った核を、アコヤガイの体内に外套膜と一緒に挿入し、真珠層を形成させる」というものです。
真珠は、天然では産出が稀ですが、加工が容易で「月のしずく」「人魚の涙」とも呼ばれるほど美しい光沢に富むため、世界各地で古くから宝石として珍重されてきました。
エジプトでは紀元前3200年頃から既に知られていたと言われますが、宝飾品あるいは薬として珍重されるようになったのは後の時代です。世界の他の地域でも中国では紀元前2300年頃、ペルシャで紀元前7世紀頃、ローマでは紀元前3世紀頃から真珠が用いられていたという記録があります。
日本は古くから、真珠の産地として有名でした。北海道や岩手県にある縄文時代の遺跡からは、糸を通したとみられる穴が空いた、淡水真珠が出土しています。日本の真珠の美しさはヨーロッパまで伝えられ、コロンブスも憧れたそうです。
1921年に、イギリスで天然真珠を扱う真珠商や宝石商を中心に、養殖真珠が偽物だという排斥運動が起きました。パリで真珠裁判が行われましたが、1924年5月24日、天然真珠と養殖真珠には、全く違いが無いということで、全面勝訴しました。
1950年代 養殖真珠生産体制を確立した日本は、世界の9割のシェアを誇るようになります。御木本の「真珠のネックレスで世界中の女性の首をしめる」という言葉を現実のものとしました。
しかし、1967年を境に、ミニスカートが流行するなど、従来のファッションの流行が変わり世界の真珠の需要が激減したこと、過剰生産と粗製乱造が重なったこともあり、海外のバイヤーが真珠を敬遠するようになりました。
1996年頃から始まったウイルス感染症によるアコヤガイの大量斃死(へいし)現象や、真珠摘出後の廃棄貝、および諸々の排水による湾の富栄養化などの要因から、日本のアコヤ真珠の生産量は低下しました。