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スイカには、玉形の他に楕円形の品種もあり、欧米では楕円形が主に流通しています。
同じウリ科の果菜類であるメロンは、主として甘く熟した果皮の部分を果肉として食べますが、スイカの果皮は内側の薄い層しか甘く熟せず、主に種子をつける胎座の部分を食用とします。
果皮はキュウリを僅かに甘くしたような味ですが、生のまま果皮まで食べることは少ないです。果肉を食べ終えたあとの皮は、外側の固い薄皮を除いて、漬物や酢の物、煮物や汁物などに使えます。生のままだとキュウリ、煮ると冬瓜に似た食感になります。
アジアでは種子を炒って歯で割り、中身を食べる地域が多いです。中国では西瓜子と呼ばれ、酒のつまみ、料理、菓子などに用いられており、炒って味付けされたものは日本に輸入されています。
スイカの原産地であり利用や栽培の始まったアフリカでも、種子を炒って粉末にするなどし、食材として利用する食文化が存在します。
特に原産地に自生する果肉の苦味の強い近縁種は、果肉自体は人間の食用に適さないため、飲料水以外の生活用水として利用し、種子のみを食用とします。
日本で縦縞模様の品種が広まったのは昭和初期頃と言われています。それまでは黒色の無地で「鉄かぶと」と呼ばれていました。
スイカは水分の反応に敏感で、土壌の水分量が過多になると、現在の栽培種でも果実の中に栄養や水分を送るための維管束の管が極端に広がり、内部が、原種に近いような模様のスイカになります。
スイカは元々、自生地が乾燥地帯であるため、野生動物は水分を目当てにスイカの果実を摂食することになり、胎座の水分ごと種子を飲み込んで糞とともに排泄し、種子散布が行われます。人類によるスイカの利用もこの水分を目当てに始まり、同時に脂肪と蛋白質に富んだ種子をも食用にするようになったと考えられています。
日本の改良種のスイカには、ナトリウムやタンパク質はほとんど含まれませんが、カラハリ砂漠に自生する野生種には、100グラムあたり、1.19ミリグラムのナトリウム、8.7グラムのタンパク質が含まれています。
野生のスイカは、砂漠の生活において貴重なミネラルや栄養の供給源となっています。
スイカは連作障害や、つる割病に弱いため、栽培時には、台木としてユウガオやカボチャなどを用いる接木栽培が通例です。
コストのかかる輪作などによって、これらの障害を回避して生産された、スイカ自身の根によって育った果実は、高級品として取引されています。
果肉や種子に含まれるカリウムは疲労回復ならびに利尿作用があるため、暑さで体力を消耗し水分を過剰摂取することで起こりがちな、夏バテに効果があるとされています。