その他の情報
ピアノは、弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器の一種です。鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出ます。また、内部機構の面からは、打楽器と弦楽器の特徴も併せ持った打弦楽器に分類されます。
弦はミュージックワイヤーと呼ばれる特殊な鋼線(ピアノ線の中でも、特に高品質なもの)で、低音域では、質量を増すために銅線を巻きつけてあります。
弦長は、一般に長いほうが豊かな音色になるといわれ、限られた寸法の中で最長の弦長を確保するために工夫されています。
弦はフレームに植えられたチューニングピンで張られますが、1本あたりの張力は70~80kg重程度で、全弦の張力の合計は20トン重にもおよびます。ピアノが現在の音量を出せるようになったのは、この張力に耐える鋼製のミュージックワイヤーと鉄製のフレームが使われるようになってからです。
現在のピアノは、トスカーナ大公子フェルディナンド・デ・メディチの楽器管理人であったイタリア・パドヴァ出身のバルトロメオ・クリストフォリが発明したとみなされています。
クリストフォリが、いつ最初にピアノを製作したのかは明らかではありませんが、メディチ家の目録から、1700年にはピアノがすでに存在していたことが知られています。現存する3台のクリストフォリ製作のピアノは、いずれも1720年代に製作されたものです。
クリストフォリの重要な功績は、「ハンマーが弦を叩くが、その後弦と接触し続けない」というピアノの基本機構を独自に開発した点にあります。
フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトによって、日本に初めてもたらされたピアノは、スクエア・ピアノと呼ばれるものです。山口県萩市の熊谷美術館には、1823年にシーボルトより贈られた日本最古のピアノが現存します。