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水時計(みずどけい)は、容器に水が流入(流出)するようにして、その水面の高さの変化で時をはかる時計のことです。東洋(中国由来)のものは漏刻(ろうこく)、西方のものはクレプシドラ(clepsydra)ともいいます。
水が流出する椀状の水時計は、最も単純な型であり、紀元前16世紀ごろのバビロニアや古代エジプトには既に存在していたことが知られています。世界の別の地域、例えばインドや中国でも古くから存在していましたが、最古のものがどの時代から存在していたかはよく分かっていません。
ギリシア・ローマ文明は、水時計の設計を最初に進歩させ、精度を向上させたと信じられています。これらに使われた複雑な歯車機構は、奇抜なオートマタへとつながりました。これらの進歩は、東ローマやイスラム時代を経て、最終的にはヨーロッパで開花しました。
公衆が時刻を知りたがるようになったのは、労働時間が重要になってくる産業革命が最初です。それ以前には、水時計の使用目的としては、天文学や占星術が大きかったです。
平安時代中期に編纂された「延喜式」(えんぎしき)によれば、漏刻の運用は、2時間おきに時刻に応じた太鼓を打ち、その間の30分ごとに、その刻数の鐘を撞いていました。漏刻博士は2人おり、その下の守辰丁は20人いました。
漏刻博士の地位は従七位下で、陰陽博士、天文博士の正七位下、暦博士の従七位上に比べて、低いものでした。